すい臓について

位置と形状

すい臓の位置と形をご存じですか? 胃の裏側あたりにあり、その形状はオタマジャクシに似ていて、十二指腸に隣接した右側の大きな部分があたま(膵頭部)、左側の細い部分がしっぽ(膵尾部)のような形をしています。長さは15~18センチ、厚さは2センチほどの細長い臓器です。

すい臓とその周辺にある臓器

すい臓とその周辺にある臓器
参考:「膵臓がん 受診から診断、治療、経過観察への流れ」
国立がん研究センター がん情報サービスなどを参考に作成

すい臓の働き

すい臓は、食べ物の消化と血糖値の調整とともに、私たちの体の内部環境を一定に保ち続ける大切な役割を担っている臓器で、大きく2つの働きがあります。

  1. 膵液すいえきの分泌

    消化液である膵液がつくられ、十二指腸内に送られます。膵液に含まれる消化酵素が、炭水化物、脂肪、たんぱく質を分解、消化を促進します。これを「外分泌」といいます。

  2. ホルモンの分泌

    血糖値を調整するインスリン、グルカゴンのほか、多くのホルモンの分泌を抑制するソマトスタチン、腸からの水分・ミネラルを調整するVIP(血管作動性腸管けっかんさどうせいちょうかんペプチド)などがつくられ、血液中に送られます。これを「内分泌」といいます。

すい臓がんとは、どんな病気?

年間約4万人がかかる

すい臓がんの初期は自覚症状がなく、すい臓自体が肝臓、十二指腸、胃などの消化器の最も奥(背側)にあることから、CTや超音波などでしか見つけられないため、早期発見が難しいといわれています。
すい臓がんには、すい臓にできる腫瘍の約90パーセントを占める「膵管すいかんがん」のほか、「膵神経内分泌腫瘍すいしんけいないぶんぴつしゅよう」「膵神経内分泌すいしんけいないぶんぴつがん」など20近くの種類があります。患者数は年々増えており、膵管がんは50~70歳代に多く、やや男性に多い傾向が見られます。一方、膵神経内分泌腫瘍は比較的広い年代に発生します。

年齢階級別がん罹患率推移
(1980、2000、2019年)膵臓がん

年齢階級別がん罹患率推移
(公益財団法人 がん研究振興財団「がんの統計 2023」より引用)
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