家族性膵がん

家族にすい臓がんの患者さんがいる場合、すい臓がんになるリスクは1.6~3.4倍といわれています。
特に、家族(親子、兄弟姉妹=第一度近親者という)ですい臓がんにかかった人が2人以上いる家系を「家族性膵がん家系」といいます。家族性膵がん家系に発生したすい臓がんが、「家族性膵がん」と呼ばれています。家族性膵がん家系ではすい臓がん発生のリスクが高いことが報告されています。
また、家族性膵がんの基準には満たなくても、近親者に患者さんがいる場合、「散発性膵がん」と呼ばれ、発症するリスクは、1.7~2.4倍になると報告されています。

日本膵臓学会が中心となり、家族性膵がん家系の方などを対象として、登録制度が進められています。
この登録制度を利用して、早期診断や、新しい治療方法の開発に関する研究を行うことが計画されています。
詳細は以下のサイトをご覧ください。
家族性膵癌登録制度:http://jfpcr.com/about.html

遺伝性膵がん症候群

「特定の原因遺伝子により、家系内ですい臓がんが多発する疾患群」といわれています。遺伝性膵炎などがあり、原因遺伝子をもっていると、がんの発症するリスクが上昇するといわれています。

遺伝性膵炎

同一家系内に2世代以上にわたり複数の膵炎患者さんがいること、若年発症し胆石やアルコールの関与がない膵炎とされています。これらの患者さんにおいては膵がんの発生リスクが60~87倍と高くなることが報告されています。
遺伝性膵炎は2015年に指定難病に認定されました。