化学放射線療法
化学放射線療法とは、化学療法と放射線照射を組み合わせ、がんの縮小を図る治療です。
ステージIIまたはステージIIIで、切除可能境界と診断された患者さん、または切除できない局所進行の患者さんは、化学放射線療法、化学療法のいずれかを選択します。
化学放射線療法の流れ
メリットとデメリット
化学療法のみと比較すると、化学放射線療法のほうががんを小さくする効果が高いといわれていますが、食欲低下や胃・十二指腸潰瘍が起こりやすく、また生存率の改善が化学療法のみよりも高いかどうかについては、確証となるデータがありません。
方法
病変とその周囲に放射線を照射し(当て)、がん細胞をたたき(攻撃し)ます。それに加え、S-1、5-FUまたは、ゲムシタビンなどの抗がん剤を併用します。痛みや熱さはほとんどありません。放射線は、正常細胞への悪影響を最小限にするため、1日1回、数日間かけて照射します。
化学放射線療法の例
S-1との併用療法
1日1.8~2グレイ(Gy:放射線量の単位)の放射線を25~28回、合計約50グレイ程度照射します。S-1は放射線照射中の土日を除いた毎日2回服用する方法が多く行われています。
ゲムシタビンとの併用療法
放射線1日1.8グレイまたは2グレイずつ合計45~54グレイ照射し、ゲムシタビンは少量(250~600mg/平方メートル)を週1回併用する方法が多く行われています。
副作用
胃や小腸からの出血、吐き気、下痢、倦怠感、食欲低下などがあります。副作用がひどい場合は化学放射線療法を中止します。
その他
がんの原発巣や骨転移などの転移巣に痛みが現れることがあります。その軽減を目的とした放射線療法を行う場合もあります。