治療方法について
すい臓がんの主な治療法には、「手術」、「化学療法」、「化学放射線療法」があります。「化学療法」は薬物療法、抗がん剤治療ともいいます。「化学放射線療法」は化学療法と放射線療法を併用する治療法です。
手術可能な患者さんは手術が中心の治療法になりますが、外科手術前(術前)や術後に補助療法として化学療法、場合によっては、化学放射線療法を行います。手術ができない患者さんは、化学療法か化学放射線療法のいずれかを行います。
いずれの場合も、医師によく説明を受け、ご自分の希望も遠慮なく伝えて、納得のうえで治療を受けましょう。
すい臓がん 治療の種類
ステージ別(ステージ0~ステージIV)の「治療の流れ」を下記に示しました。
これらは「標準治療」と呼ばれ、国内外複数の臨床試験の結果をもとに専門家が検討し、学会で合意が得られた、現時点では最善の治療法といえます。
すい臓がん治療の流れ
ステージ別 治療の説明
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ステージ0(切除可能)
手術を行います。手術後は、残っているすい臓にがんの発生がないかどうか確認するため、定期検診が必須となります。
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ステージI・II(切除可能)
がんを切除可能な患者さんは、手術前に「術前化学療法」を受けた後に手術を受けます。手術後は、体に残っている可能性のあるがん細胞をたたく(攻撃する)ために、「術後化学療法」を受けます。
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ステージII・III(切除可能境界)=ボーダーライン膵がん
がんを切除できるかできないかの境界線上にある患者さんは、化学療法または化学放射線療法を受けた後、がんの状態を再評価(再確認)します。再評価の結果、治癒切除可能と判断された場合は、手術を行い、その後に術後化学療法を受けます。治癒切除不可能と判断された場合には、手術を行わず化学療法を引き続き行います(再評価前に化学療法のみを受けた患者さんは、化学放射線療法を行うこともあります)。
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ステージIII(切除不能・局所進行)
局所進行の患者さんは、化学放射線療法または化学療法のいずれかを行います。
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ステージIV(切除不能・遠隔転移あり)
切除できず転移のある患者さんは、化学療法を継続して行います。